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いつまでも夢見る少年でいたい

イラスト、ゲーム、アニメを中心に気になったもの・ことについて書いています。

【終物語5話感想】老倉育の凄惨な過去。彼女が幸せを享受できる日はくるのか…阿良々木頑張れ!

2015秋アニメ 2015秋アニメ-終物語

老倉との会話により、当時の生活が詳しく語られた回でした。

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そして、本当にパジャマ姿で出迎えてくれた老倉さん。

せめて肩紐はちゃんと上げておいた方がいい。それだけも男子高校生には相当な威力があると思うから。

しかし、そんなことを気にしていられるような話ではなく、終始重苦しい空気で物語は進行していきました。

 

老倉育の過去

戦場ヶ原から受けたパンチのせいで、いまだに腫れがひいていない老倉。

それをもって「傷害罪で訴えてやろうかしら」と冗談交じりで口にします。これが本気だったのか、冗談だったのかは微妙なところですが、それを聞いた阿良々木はすぐさま行動でます。

ピンで小さく血を出した指で、老倉のほっぺをぷにっと。

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これにはすましている老倉も動揺。そのときの慌てようが可愛いと思ったのは僕だけでしょうか?

 

しかし、血を塗られた老倉の頬は完全に治癒。これも吸血鬼の血のおかげなんでしょうね。

そして、見事な連携プレーをみせた阿良々木と羽川。この場合、阿良々木に羽川が合わせたって感じでしょうか。ともかく羽川がカップを鳴らし注意を引いた一瞬の出来事でした。

で、その異様な現象を疑うかと思われた老倉ですが、ただ自分の治癒力に驚いただけで済みました。

 

そして、話は本題へ。

それに伴い、老倉はまた阿良々木に対する態度が厳しくなります。

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おかしいな。ついさっきまで、めちゃくちゃ可愛かったのに、今はその欠片も感じられない。

 

そして、老倉は阿良々木があの秘密の勉強会のこと、さらには小学生のときに阿良々木の親によって保護されていたことなどを思い出したと知り、

 

「バカにしているんでしょう? お前に精一杯媚びを売っていた私のことを」

 

と口にします。

老倉にしてみれば、阿良々木に助けを求めたことは「プライドを捨てて、阿良々木におもねった。それは靴をペロペロ舐めるような気分だった」と告白します。

おもねる(阿る)……きげんをとってその人の気に入るようにする。へつらう。追従(ついしょう)する。

 最初、この「おもねる」という意味がわからなかったので調べました。媚びを売るというのと似た意味なんですね。そして、偶然かそれとも故意なのか、阿良々木の「阿」と同じ文字だという。

 

あと老倉がもっと直接的に助けを求めなかったのは、あれが自分の中での最大の譲歩だったからなんですね。遠回しの表現ですら屈辱的で、それ以上の行動をとれなかったと。

 

さらに、阿良々木から「投げ出したのはお前も同じじゃないのか?」という指摘を受けてカッとなる老倉。

とっさに目の前にあったカップを阿良々木へ投げようとしますが、

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事前にそれを察して避難させていた羽川。一回目のナイスキャッチといい、この行動といい他人の思考を読み、一歩先をいきます。

 

 

終わった物語

そこから、話は老倉の両親のことへ。

ここでもきっちりと阿良々木を責めることを忘れない老倉。過剰すぎると思わないでもないですが、それは後に理由が明かされます。

 

阿良々木から助けが得られなかったあと、老倉の両親は離婚。老倉は母親に引き取られ、別の町で母子家庭となります。それから、母親は離婚の影響から部屋に閉じこもるようになり、食事もとらなくなってしまいます。

生活自体は福祉によって何とか食べられる状態にありました。その手続きはもちろん老倉がやっていました。

そして、そんな暮らしの中で老倉はこう考えていました。

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「お母さんなんていなくなっちゃえばいいのに、と私が思いませんように」

しかし、ずっとそう思っていたということは、その裏にある思いを必死を抑え込んでいたとも考えられるわけで。

そして、老倉の願いに反して(願い通りに?)、母親は家からいなくなりました。

 

何も告げずにいなくなった母親。そして、阿良々木の家からも、阿良々木の前からも何も告げずいなくなった老倉。

その様子から「私はきっと母親似」と薄く笑って答えます。

 

あと、阿良々木の家にいたときに、老倉が部屋の隅っこでうずくまっているのも母親と同じでしたね。もしかしたら、離婚する前の家でも母親はそういう感じだったのかもしれません。

幼い老倉はそれを見てきていたから、自然と親と同じ行動をとるようになったのかと。

さらに気になったのが所々に挟まれていた鳥と老倉の映像。

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一応調べてみたら「アオサギ」っぽい感じでした。

 優雅な姿をしているが、意外にも攻撃的で神経質な鳥で、餌場では羽毛や飾り羽を逆立てて他の鳥を威嚇して追い出すことがよくある。特に獲物が共通するダイサギなどのサギ類には容赦なく攻撃をしかけて執拗に追い立てる。 また、獲物に対する執着も強く、他の鳥から獲物(主に魚類)を奪って捕食することが見られる。ミサゴなどの猛禽類や、時にはツルやコウノトリなどの自分よりもはるかに強大な相手でも付け回して隙があれば横取りする。(ウィぺディアより)

 まぁこの物言わぬ剥製が母親を表していたのかと。

 

その後、母を失った老倉は国の支援を受け、また阿良々木のいる町へ戻ってきて現在に至ります。

しかし、これらのことを「誰しも経験するよくある不幸」と評し、「私だけが不幸じゃないんだから頑張らないと」と老倉はまるで自分に言い聞かせるように話します。

 

生きているんだから幸せ。だから阿良々木は同情する必要もなければ、償う必要もなく、憐れまなくてもいい。罪滅ぼしも考えることはない。全ては昔の話。終わった物語なんだから。

 

でも、その影響を今も受けているわけで、終わったというのは無理があるような。

 

母親の謎?

それを聞いていた羽川は、出て行った母親の行動が気になったようでした。

窓には板が打ち付けられており、部屋には鍵がかかっていた。ならば出入口は一つ、扉しかないわけです。

しかし、扉の鍵は内側からつまみをひねれば開けられるので、母親は老倉が学校へ行っている間に出ていくことは可能です。

で、その後「家の中のどこか適当な場所に置いてあった鍵」で部屋の扉の鍵を閉めて出て行った……これにも引っ掛かりを覚えている羽川。

確かに玄関の扉で鍵を閉めるのはわかりますが、家の部屋を出たときに扉の鍵って閉めるでしょうか?

さらに玄関の鍵も閉まっていました(老倉の印象に残っていないということは、普段と変わらず閉まっていたと推測できるから)。

 

しかし、話は老倉によって打ち切られてしまいます。ここもちょっと気になる点です。

 

 

知らないという幸せ

阿良々木の両親にしてみれば、暴力を受けた老倉を保護したつもりだったのでしょうが、その阿良々木の家で老倉が見せつけられた「普通の家庭」という光景。

そのせいで、老倉は今までの自分の置かれていた現状が「普通でない」と知ってしまいます。

窓も壁も床も割れていないキレイな家ではしゃぐ阿良々木兄妹。

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そんな光景をずっとにらんでいたという老倉。しかし、阿良々木はそれを覚えていません。というか、この様子を見るにほぼ関心を向けていなかったように思えます。

 

阿良々木は両親に言われて初めて、老倉が家に滞在していたことを知りました。つまり、幼い日の阿良々木は老倉を視界にすら入れていなかったのでしょう。だから記憶にとどめておくことができなかった。

 

そして、老倉はそんな眩しい穏やかな家庭を見ていられずに逃げ出しました。

さらに「当たり前の家庭」を知ってしまった老倉は、両親のもとへ帰って現状を再認識してしまいます。自分の「当たり前」が「当たり前じゃない」ということを。

そんな老倉が現状を改善しようとしてしまうのは当たり前で、そのせいで老倉はさらなる暴力にさらされることになります。

酷くなった暴力にあっても一度逃げ出した老倉には、もう逃げ場がありませんでした。

そんな中で中学生になった阿良々木と再会したわけです。

老倉は一度保護されたのに勝手に逃げ出して、しかしどうしようもなくなってまた助けを求めようとする自分の姿が、どうしようもなく惨めだったのかもしれません。

 

そして、また阿良々木を責める老倉。

しかし、老倉も「阿良々木が悪いわけではない」と頭では分かっているようです。

それでも阿良々木のせいにしていないと耐えられないと口にします。親を悪者にしてその責任を押し付けるだけでは、自分の気持ちを抑えることができないと。

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ここで老倉の本音が漏れます。

どうしてうまくいかないのか。自分は頑張っているのに……ここまでの罰を受けるようなこと何もしていない。

 

阿良々木君、早く老倉さんを幸せにしてあげてー!!!

老倉を優しく包み込んでくれるような幸せを教えてあげて(具体案はないが)。不幸せにぬるく浸かっていたいという老倉を強引にでも幸せにしてあげて!

 

「お前がつぶれるような重い幸せなんてこの世にねえ! 幸せは眩しくもなければ重くもない。幸せを過大評価するな。あらゆる幸せはお前にとってちょうどいいんだ。だから、そんな風に幸せを嫌うな。世界を嫌うな、何もかもを嫌うな、自分を嫌うな……お前の中にある嫌いは全部僕が受け止めてやるから。受け入れてやるから。お前はもっと自分のことを好きになれ」

 

信じてますよ、阿良々木さん!! 誰もが持っていて当たり前の幸せを老倉にも持たせることができるって!!

 

そして、最後に老倉は「いなくなった母を見つけてくれれば、学校に行ってもいい。戦場ヶ原さんに謝ってもいい」と告げます。

 

 

まとめ

羽川可愛い!!とか言える状況じゃない回でした。それでもカップの件は凄かったですが。

そして、老倉の家庭環境がきつかったですね。

僕に言えるのはただ一つ。阿良々木君、彼女を幸せにしてあげてください。

一刻も早く老倉育が心の底から見せる笑顔を見たいです。

 

 

終物語 (上) (講談社BOX)

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